■1997年(H9)脱サラした女性2人が起業
「イキイキと、やりがいを持って働ける会社を作りたい」
「性差別、学歴差別、年齢差別のない会社を作りたい」
「お客様の喜びを直接感じられる仕事がしたい」
都市開発コンサルタント会社で出会った代表取締役の長坂由佳と取締役の高木愛子が、そんな強い思いを持って、会社を退職後2人ではじめた会社です。
アンカー[Anchor]は、船の錨(いかり)ですが「頼みの綱」という意味も持っています。お客様の頼みの綱になりたいという意味を込めて、アンカーコムという社名をつけました。まずは、自分たちができること、ソフト開発受託(担当は長坂)、パソコン教室(担当は高木)の2つの業務からスタートしました。
偶然、2人とも京王線笹塚駅近くに10年近く住んでいたこともあり、最初の出発地として東京都渋谷区笹塚を選びました。たまたま借りた事務所が、笹塚十号通り商店街の中のお米屋さんの2階・3階。商店街に加盟し、青年会員にもなり商店街活動に参加することになりました。この偶然の積み重ねが、後々のアンカーコムに大きな影響を与えることになりましたが、当時は全く予想していないことでした。
■1998年(H10)地元商店街にホームページ開設を提案
会社をはじめて1年。インターネット普及率の伸びにも後押しされ、完全マンツーマン形式のパソコン教室事業は順調でした。
1998年初夏、約1年間かけて構想を練り研究をしていた商店街・地域ホームページづくりを、地元商店街に企画提案します。
地元の10商店街が揃って参加できる事業計画・予算計画づくりや、商店街リーダーの合意形成のための活動、約700店舗を巻き込んだ地域・商店街ホームページづくりが始まります。
■1999年(H11)「ささはたドッとこむ」誕生
企画提案から約1年半後、1999年10月14日、東京都渋谷区笹塚・幡ヶ谷地区の10商店街合同ホームページ(約700店舗参加)「ささはたドッとこむ」が誕生しました。
10商店街・700店舗の商店情報はもちろん、住民の視点で編集した公共情報やコミュニケーション機能を兼ね備えた地域情報サイトとして、多くの方々にご評価いただき、たくさんの読者の応援・支持をいただいて現在に至っています。
■2002年(H14)新たなミッションを意識
『アンカーコムは、NPOみたいですね。』
『ささはたドッとこむは、コミュニティビジネスですね。』
こんなことを度々言われるようになりました。
NPO的な会社にしようとか、コミュニティビジネスをしようなどと考えたことは一度もなかったのに、自分たちのやってきたことが後付けで形容されるようになりました。
そもそも、コミュニティビジネスなんて言葉も未知でした。
あらためて勉強したわけですが、知れば知るほど奥が深く、まだビジネススタイルも未確立の分野。
しかし、自分たちのやってきたことが一致していることを感じました。
なかでも、片岡勝氏の著書「儲けはあとからついてくる」を読んで「コミュニティビジネスって何?」が分かってきました。
■2003年(H15)地域を元気にする会社に 「社会企業宣言」
2003年、アンカーコムは今までの業務内容を見直し、創業以来続けてきたパソコン教室事業をやめて、「地域情報サイト」に絞り込んだ事業展開をしています。
地域に貢献できるコミュニティビジネス実践者として、「ささはたドッとこむ」を更に充実させること。
そして、地域情報サイトで経済的効果や住民サービスが実現でき、自立運営を自ら実証しつつ、全国の地域情報サイト運営者・支援者をネットワークする『地域サイトネットワーク(LisNET)』を主催しています。
地域情報サイトは、一人で頑張っても成り立たず、たくさんのプレイヤー(住民・商店・商店街・商工団体・地元企業・自治体)の協力が必要です。ビジネスオンリーの考えでも当然ダメだし、ボランティアだけでは長続きせず、両方の意識がうまくバランスした状態が必要です。
だからこそ難しくビジネスモデルも未確立ですが、口先だけでなく自らの経験と研究ノウハウに基づいたコンサルティング・支援事業を行っています。
|